「認証って結局どこから手をつければいいの」という悩み
OEMで電化製品や電子部品を作ろうとした瞬間、PSEやCEという単語が立ちはだかり、工場に聞いても「うちは認証なしで売ってる業者が多いよ」と曖昧に返されて不安になる。これは中国輸入OEMに関わる実務者なら一度は通る道です。認証を後回しにして量産してしまい、国内販売直前で止まる事例は珍しくありません。ここでは具体的な取得フローと費用相場、現場でつまずきやすいポイントを整理します。
PSE認証とは何か・対象になる製品
PSEは日本の電気用品安全法に基づく認証で、国内で電気用品を販売する際に必要です。モバイルバッテリー、ACアダプター、LED照明、ドライヤーなど多くのOEM定番商品が対象になります。特定電気用品(菱形PSE)と特定以外(丸形PSE)に分かれ、どちらに該当するかで必要な試験項目と費用が変わります。モバイルバッテリーは特定電気用品に該当するため、試験項目が多く費用も高めになる点は見落とされがちです。
CE認証とは何か・対象になる製品
CEはEU域内で製品を流通させるために必要な適合マーキングです。電気製品だけでなく、玩具、医療機器周辺用品、機械類など幅広いカテゴリーが対象になります。OEMで欧州販売やAmazon.deなどEU圏のマーケットプレイスに出す予定がある場合、CEマーキングなしでは出品自体ができないケースが多く、国内販売専用のつもりでも将来的に越境展開を検討しているなら早めに確認しておくべきです。
OEM製品の認証取得フロー(実務手順)
- 製品の技術仕様(回路図・部品リスト・仕様書)を工場から入手する
- 該当する認証区分(PSEなら特定/特定以外、CEなら該当指令)を試験機関に確認する
- 試験機関またはOEM先経由で見積もりを取得する(複数社比較が望ましい)
- サンプル品を試験機関に送付し、試験を実施する
- 不適合項目があれば工場側に設計・部材変更を依頼し再試験する
- 適合証明書・試験成績書を受領し、表示ラベルを製品・パッケージに反映する
- 量産開始前に最終ロットでの抜き取り確認を行う
工場によっては「過去に同型番で取得済み」と言うことがありますが、仕様変更があると再試験が必要になるため、型番や部材が完全に同一かを必ず確認してください。
費用相場の目安
- PSE(特定以外・丸形):試験費用5万円〜15万円程度、期間2〜3週間
- PSE(特定電気用品・菱形):試験費用15万円〜40万円程度、期間3〜6週間
- CE(LVD・EMC指令、電気製品):試験費用10万円〜30万円程度、期間3〜5週間
- CE(玩具指令など追加試験が必要な場合):20万円〜50万円程度
いずれも試験機関や製品の複雑さによって変動するため、あくまで予算感の目安として捉えてください。不適合で再試験になると費用と期間がさらに積み増しになる点も考慮が必要です。
取得前チェックリスト
- 販売予定の国・プラットフォームで認証が必須か確認したか
- 製品カテゴリーが特定電気用品に該当するか確認したか
- 工場から正確な技術仕様書を入手できているか
- サンプル品と量産品で部材・設計に差異がないか
- 試験機関の納期が販売スケジュールに間に合うか
- 表示ラベル・パッケージ表記に認証マークを反映する準備ができているか
現場でよくある落とし穴
よくあるのは「工場が認証取得済みと言っていたのに、いざ書類を求めたら別型番のものだった」というケースです。口頭確認だけで進めず、試験成績書の型番・ロット・部材構成を必ず照合してください。また、OEMで仕様を一部変更しただけでも再試験が必要になることがあるため、仕様変更の都度、試験機関に再確認を取る習慣をつけると手戻りを防げます。
工場とのやり取りを整理しておくと認証対応もスムーズになる
認証取得では工場から正確な技術仕様書を引き出し、過去のやり取りや型番変更履歴を正確に追えることが地味に重要です。BOMEKOは中国・海外工場とのメッセージを貼るだけで日本語要約や返信文の下書きを作成でき、工場ごとのやり取り・単価・不良履歴などを記憶として蓄積できるSaaSです。認証対応で過去の仕様確認を振り返りたいときにも役立つツールとして、2026年夏の公開に向けて先行登録を受付中です。
