「思ったより利益が出ない」は計算漏れが原因
仕入れ値だけを見て「これなら儲かる」と発注したのに、実際に販売してみると手元にほとんど利益が残っていない――中国輸入を始めた方の多くが一度は経験するつまずきです。原因の大半は、為替変動や諸経費を計算に入れずに「仕入れ単価×為替レート」だけで判断してしまうことにあります。
原価計算に必要な7つの要素
正確な原価計算には、少なくとも次の要素を洗い出す必要があります。
- 商品仕入れ単価(元建て・ドル建てなど)
- 為替レート(発注時点と決済時点のズレ)
- 国際送料・国内送料
- 関税・消費税(輸入時)
- 通関手数料・代行会社の手数料
- 販売プラットフォームの手数料(Amazon・楽天など)
- 決済手数料・振込手数料
この中で見落とされやすいのが「為替レートのズレ」と「代行会社の手数料体系」です。発注時に見積もったレートと、実際に支払いを行う時点のレートが数円変わるだけで、利益率が数ポイント動くことも珍しくありません。
具体的な計算手順
実際の数値例で手順を確認します。
- 仕入れ単価を確認する:1個30元
- 発注時の為替レートを仮置きする:1元=21円(実際の決済時は20〜22円で変動する前提で幅を持たせる)
- 数量を掛けて円換算する:30元×21円×500個=315,000円
- 国際送料・代行手数料を加算する:仮に送料が1個あたり150円、代行手数料が仕入れ額の8%とすると、送料75,000円+手数料25,200円
- 関税・消費税を加算する:品目により税率が異なるため、事前にHSコードで概算しておく
- ここまでの合計を「輸入原価」として確定する
- 販売価格からプラットフォーム手数料・決済手数料を差し引き、最終利益を算出する
このように、仕入れ単価から販売までの間に発生するコストを一つずつ積み上げていくことで、初めて実態に近い原価が見えてきます。
為替変動への現実的な対応方法
為替は日々動くため、正確に一致させることは不可能です。実務上は次のような考え方が有効です。
- 発注時のレートに1〜2円程度の余裕(バッファ)を持たせて原価を試算する
- 決済が数週間先になる場合は、その間のレート変動幅を過去実績から確認しておく
- 利益率がぎりぎりの商品は、為替が数円動いただけで赤字になる可能性を事前に共有しておく(特にOEMで複数人が関わる場合)
「レートが良い時にまとめて発注する」という判断も一つの手段ですが、資金繰りとのバランスを見て決める必要があります。
見落としがちな諸経費チェックリスト
原価計算の際に抜けやすい項目を以下にまとめました。発注前に一度確認することをおすすめします。
- 不良品・返品時の廃棄コスト
- 検品費用(自社検品・代行検品どちらか)
- 倉庫保管料(長期在庫になった場合の追加費用)
- サンプル代・サンプル送料
- パッケージデザイン・印刷費(OEMの場合)
- 再発注時の型代・金型代(初回のみでなく再発注時にも発生する場合あり)
利益計算の実例で確認する
仮に上記の輸入原価(送料・手数料・関税込み)が1個あたり950円だったとします。販売価格を2,980円に設定した場合、Amazon手数料(約15%)と決済手数料を差し引くと、実質利益は1個あたり700〜800円程度になるケースが多く見られます。ここからさらに広告費や返品対応コストを引くと、最終的な純利益はさらに圧縮されます。「販売価格から仕入れ値を引いただけの粗利」で判断してしまうと、実際の手残りとの差に後から気づくことになりがちです。
よくある失敗パターン
- 為替レートを発注時点の一時点だけで固定してしまう
- 代行手数料を「仕入れ額の何%」で計算し忘れる
- 関税・消費税を「かからないだろう」と楽観視する
- 販売手数料や広告費を原価計算に含めていない
- 不良品率を想定せず、100%良品前提で利益計算する
原価計算は一度作って終わりではなく、為替や仕入れ条件が変わるたびに更新していく前提で運用することが、長く安定して利益を出し続けるためのポイントです。
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