中国輸入の返送・再送で二重関税を防ぐインボイス書き方

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不良品の返送・再送で「また関税を取られた」を防ぐには

工場に不良品を返送して、直してもらった商品が戻ってきたら、輸入時にまた関税がかかっていた——中国輸入をしている方なら一度は経験する「あるある」ではないでしょうか。すでに一度関税を払った商品なのに、返送・再送のたびに二重に課税されると、修理コストどころか利益そのものが吹き飛びます。実はこの二重関税、インボイスの書き方次第で防げるケースが多くあります。

なぜ返送・再送で二重に関税がかかるのか

税関は基本的に、輸入される貨物を「新規の輸入」として扱います。返送・再送であることを税関側が把握できなければ、以前輸出したものと同じ商品であっても、通常の輸入貨物と同様に関税・消費税が課税されてしまいます。原因の多くは、返送・再送時のインボイスに「これは以前輸出した不良品の修理・交換品である」という情報が不足していることにあります。

鍵になるのは「再輸入免税」の活用

日本には、輸出した貨物をその性質・形状を変えずに再び輸入する場合、一定の要件を満たせば関税が免除される「再輸入免税」という制度があります。不良品を修理のために輸出し、そのまま形状を変えずに戻ってくる場合はこの制度の対象になり得ます。ただし自動的に適用されるわけではなく、税関に対して「これは以前輸出した貨物の再輸入である」と証明できる書類が必要です。ここでインボイスの記載内容が重要になります。

返送用インボイスに書くべき項目

  • Invoice No. と発行日
  • 荷送人(工場)・荷受人(自社)の情報
  • 品名・型番・数量(元の輸出時と同一であることが分かる記載)
  • 返送理由:例「Defective goods returned to factory for repair, no commercial value」
  • 参考価格の明記:例「Value for Customs Purposes Only: USD 50」(無償でも「No Value」だけだと税関に不審がられやすいため)
  • 元の輸出時のインボイス番号・輸出申告番号(紐付け情報)
  • 原産国、HSコード

再送(工場からの返却)インボイスに書くべき項目

  • 「Repaired goods, returned under warranty, re-import after repair」等の一文
  • 返送時に使ったインボイス番号への参照
  • 修理内容の簡単な説明(例:基板交換、外装修理など)
  • 数量・型番が返送時と一致していること

実務手順:不良品発見から再輸入まで

  1. 不良品を発見したら、写真・検品記録・シリアルナンバーを控える
  2. 返送前に自社の通関業者に連絡し、再輸入免税の適用可否と必要書類を確認する
  3. 工場へ返送する際、上記の記載事項を盛り込んだインボイスを自分で作成し、工場に共有する(工場任せにしない)
  4. 工場から再送される際も、同じ内容を反映したインボイスを発行してもらうよう事前に依頼する
  5. 再輸入時、通関業者に「再輸入免税の適用を希望する」旨と、元の輸出申告書類一式を提出する

工場への依頼文例

「今回返送する商品は修理目的の返送であり、再度日本へ送り返す際は、必ず修理品である旨(repaired goods, no commercial value)とオリジナルの輸出インボイス番号を記載したインボイスを発行してください。こちらで用意したフォーマットを添付しますので、この内容通りに作成をお願いします」といった形で、フォーマットごと渡すのが確実です。

チェックリスト

  • 返送前に検品記録・写真を残したか
  • 通関業者に再輸入免税の適用可否を事前確認したか
  • 返送用インボイスに元の輸出情報を紐付けたか
  • 参考価格を「Value for Customs Purposes Only」として明記したか
  • 工場への返送依頼時に、再送用インボイスの記載フォーマットを共有したか
  • 再輸入免税の適用期限(輸出からの経過期間)を確認したか

注意点

再輸入免税の適用可否や必要書類は税関・案件によって判断が分かれることがあります。金額が大きい取引や頻繁に返送・再送が発生する商材については、事前に通関業者や税関相談窓口に個別確認しておくと、当日の通関でのトラブルを避けやすくなります。また工場側がインボイス記載に不慣れで、指示通りに書いてくれないケースも珍しくないため、テンプレートを渡して「この通りに書いてください」と具体的に依頼することが実務上の近道です。

やり取りの記録が二重関税トラブルを防ぐ土台になる

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