「言った言わない」でまた揉めた、を繰り返していませんか
「先週チャットで確認したのに、工場側は聞いていないと言う」「単価を下げてもらった話が、いざ発注したら元の金額に戻っている」。中国工場とのやり取りをしていると、こうしたすれ違いは驚くほど頻繁に起こります。悪意があるというより、双方の言語のズレ、担当者交代、チャットの流れの速さが原因になっているケースがほとんどです。ここでは、実務者が今日から使える「言った言わない」防止の管理方法を、具体的な手順と例文つきで解説します。
なぜ「言った言わない」が起きるのか
原因を整理すると、大きく3つに分かれます。
- 口頭・チャットでの合意が、文書として残っていない
- 担当者が変わったタイミングで、過去の合意事項が引き継がれていない
- 仕様・単価・納期の「確定版」がどれか、双方で認識がずれている
特にWeChatやチャットワークなどのやり取りは、メッセージが日々流れていくため、数週間前の合意事項を探すだけでも一苦労です。感情的な言い争いを避けるためにも、仕組みで防ぐ発想が重要になります。
防ぐための3つの管理方法
1. 決定事項はその都度サマリー化して送り返す
打ち合わせやチャットで何かが決まったら、その場で簡単な要約を作り、相手に送り返す習慣をつけましょう。口頭確認だけで終わらせず、「文字にして相手の目の前に残す」ことが最大の予防策です。
- 決まった内容を箇条書きで3〜5行にまとめる
- 「以下の内容で認識合っていますか?」と一言添えて送る
- 相手の「OK」の返信も含めてスクリーンショットで保存する
2. 仕様・単価・納期は「確定表」で一元管理する
チャットのやり取りだけに頼ると、どれが最新版か分からなくなります。エクセルやスプレッドシートで「確定表」を1枚作り、変更があるたびに日付・変更内容・承認者を追記していく方法が効果的です。工場側にも同じ表を共有し、双方が同じ情報を見ている状態を作ります。
3. チャットは流れる前提で、証跡をこまめに残す
重要な合意は、チャットのスクリーンショットを撮り、日付とともに別ファイルに保存しておきましょう。特に単価交渉、不良品対応、納期変更など「後でお金が絡む話」は、必ず証跡を残す対象にします。
実際に使える確認例文
工場に送る際は、角が立たない言い回しを心がけると同時に、事実確認の意図をはっきり伝えることが大切です。
- 「先ほどの内容を整理しましたので、認識のズレがないか確認させてください」
- 「今回決定した単価は〇〇USDで、来月からの発注分に適用という理解で合っていますか」
- 「念のため、変更内容を文書にまとめました。ご確認いただけますでしょうか」
これらは相手を疑っているように聞こえず、単純な確認作業として受け取ってもらいやすい表現です。
今日から使えるチェックリスト
- 重要な合意はチャットで送った後、要約して送り返しているか
- 単価・仕様・納期の「最新版」が一目でわかる資料があるか
- 担当者交代時に、過去の合意事項を引き継ぐ仕組みがあるか
- 不良品対応や返金交渉など、金銭が絡むやり取りの証跡を残しているか
- 月に一度、過去のやり取りを見直す時間を作っているか
これらを習慣化するだけで、トラブル時の交渉力が大きく変わります。「言った言わない」は感情の問題ではなく、記録の有無で決着がつく問題だからです。
まとめ
中国工場とのやり取りにおける「言った言わない」は、仕組みで防げるトラブルです。サマリー送付、確定表の一元管理、証跡の保存という3つの習慣を積み重ねることで、無用な揉め事を減らせます。とはいえ、日々の忙しい実務の中でこれらをすべて手作業で続けるのは負担が大きいのも事実です。現在開発中のBOMEKOは、工場とのメッセージを貼るだけで日本語要約や返信文の下書きを作成し、工場ごとのやり取り・単価・不良履歴といった記憶を蓄積できるSaaSとして、2026年夏の公開を予定しています。記録管理の手間を減らしたい方は、先行登録で情報をチェックしてみてください。
